大企業からの転職はとても恐ろしい
大企業に勤めていると「本当にこのままでいいのだろうか?」と感じる瞬間がありますよね。
会社が頓珍漢な方針を打ち出したとき。
上司がパワハラな気質なとき。
昇格試験に落ちたとき。
その時々に転職したい!辞めたい!という気持ちを、「でも大企業で安定してるしな……」と押し殺してませんか?
つい最近まで私もその一人でした。
嫌なことがあっても、納得できないことがあっても、それでも大企業には残る価値がある。
そんな正常性バイアスに支配されて、身動きが取れなくなってしまっている人へ、ぜひ本ブログを読んでいただきたいと思っています。
筆者は何者?
はじめまして。ちずると申します。
現在33歳。妻・子ども1人の3人家族で、つい最近転職したばかりです。超ド田舎出身で、地方公立高校→地方国立大学卒業と、何かと「地方」が経歴につく人生を送ってきました。。

最近は子育てと仕事の両立頑張ってます!
そんな私ですが、人生初の転職を経験しました。この熱冷めやらぬうちに、一次情報を皆様にご提供いたします。本記事では、まず情報提供者である私の情報をご紹介します。
1社目のキャリア
大手通信会社に総合職として入社しました。最初は現場で営業をしつつ、営業企画や事業企画でキャリアを築き、事業計画・分析やマーケティング戦略を担いました。
文系かつ事務系総合職ながらキャリア途中ではデータ分析スキルを磨き、数千万人規模の顧客データ基盤を相手に実務経験を養いました。データ分析をもとに億単位規模のデータドリブンに貢献したり、戦略や施策立案の参画できたのはとても大きな経験ですし、それが私の強みとして形成されていきました。
現職(2社目)のキャリア
現在は大手金融のデータアナリストとして勤務しています。まだまだ経験は浅いですが、自身の職務に名前がつく経験は新鮮です。仕事は前職とさほど変わりませんが、「データアナリスト」として採用されているのですから、「データアナリスト」と名乗っても問題ありませんよね。
私が転職を考え始めたきっかけ
正直なところ、私は会社からとても評価されていました。傍から見れば、順風満帆なようにも見えていたかと思います。
ところが、異動を期に事態は大きく変わりました。
会社から評価を受け、本社中枢の企画部門に異動になったのです。異動直前の私ときたらそれはもう大変なモチベーションが高さでした。

得意のデータ分析を軸に「最後のプレイヤー期間」として
やりきるぞ!という気持ちだけは強かったです
ですが、それは早々に打ち砕かれることになります。
「やりたくないこと」と「やれないこと」を同時に任された
私は常日頃上司との1on1においても「データ分析」を軸に事業を推進し、キャリアを形成したいと話していました。それが守られていればどんな激務でも構わない、と。
その一方、やりたくないことを明確に打ち出してました。それは「外からわーわー言う役割」です。経営企画部や財務部が私にとってのそれでした。直接事業に関れないその役割は私にとって非常に肌に合わないと考え、そういった部門や役割は避けたい、そのように伝えていました。
ところが私のポストは「関連担当をとりまとめて管理」+「事業仕分け(コストカッター)」で、その事業部門における経営企画・財務部門担当だったことが異動直後に判明したのです。大枠では事業部門の中に所属していましたが、結局事業部門の中にあるだけで役割は全く私がやりたくないことでした。
データ分析や事業推進は連なる他担当が実施し、私はその全体の経営状況を把握・管理し、利益が足りなければ事業を縮小させる役割。やりたいこととは真逆も真逆。しかもファイナンスについては素人同然。「やれないこと」という壁も立ちはだかってきました。
会社の方針が合わなかった
苦難は続きます。
元々、会社の方針には違和感を感じていました。ただ、それは様々な議論を経てそうなっているんだろうと疑ってませんでした。だって、皆さん超優秀なんですもん。そんな優秀な人たちが集まって、そんな変な意思決定が行われるなんて夢にも思ってませんでした。
ところがです。中枢にいってはじめて「我々の意思決定は持ち株会社から要請された超ストレッチな利益目標に基づいており、経営層からやれと言われたことをやっている」ことが判明したのです。
長きにわたりそんなことを継続しているので、伸びしろがあるところはすでに着手済みで、費用の効率化はとことん追求しています。
なので課された目標利益を達成するには、不自然に高い販売目標を現場に課すことと、触れてはならない費用削減に着手する以外にありませんでした。
成長曲線を描くために会社の土台を切り崩す。やっていることはそんなことでした。
衝撃的でした。優秀な頭脳が大量に集まってやっていることが、そんなことだなんて。
そして、その実行役の任務を与えられたのが私。脳を揺さぶられるような感覚だったことを覚えています。

幼稚かもしれませんが、
仕事では「三方良し」の実現を強く意識してたので、
会社のことしか考えていない経営層に破壊的なショックを受けました
やりたいことができなくなった
上記のような状態ですので、当然データ分析もやる余地がありません。
そして、会社から求められてもいません。
転職の葛藤
そんな状況でしたので、転職の2文字がすぐ浮かんできました。でも、すぐマインドブロックがかかります。
待遇は悪くない
そうなんです。大企業である程度順当に評価されれば、一定の待遇になるんです。しかも年間休日数や有休、各種福利厚生等を考えると、今の待遇を手放すのはとても惜しい……。
人脈が失われる
これも大企業あるあるですが、人脈はまた0からのスタートになります。ここが途方もない壁に感じます。気軽に頼れる同期もいませんし、新入社員時代にお世話になった上司もいません。新たに人脈を形成するのはなかなか骨が折れそうです。
我慢すれば出世するかも?
ポジション自体は重要なポジションです。管理者に向けては登竜門ともいえるかもしれません。会社組織はやりたいことだけで回りません。様々なステークホルダーを調整しつつ、会社を前に進めるのが一番大変。そんなポジションで成果を出せれば、大企業総合職の職責を十分に果たせているといえると思います。ここを乗り越えれば出世も見えますよね。
そもそも転職自体が面倒くさい
働きながら転職することは本当に大変です。面接はだいたい平日にありますし、その調整は非常に難しい。現職との兼ね合いも考えつつ動かないといけないので、転職活動は非常に労力を要します。
転職を決意した理由
そんな中で私が転職を決意したのは以下の理由です。
仕事がどんどん楽しくなくなった
異動してからというものの加速度的に仕事が楽しくなくなっていきました。強みも活かせず、周囲のメンバーに役に立てもしません。何より「社会」を相手にしている実感がなく、「会社」だけを相手にしている錯覚を得ます。

仕事で得られるお給料は
我慢料だワン
……なんて、考えていらっしゃる方も多いと思います。しかし、私の考えは違います。

仕事は自分の強みを活かして
他者貢献を通じてお給料が貰えるもの!
この時点において、私は自分の強みの活かし方を見失っていました。生活の30-50%は仕事なのに、楽しくないこと・自分が活躍できないことをやっていれば気分も落ちていき、私生活にも悪影響を及ぼしていました。
不満の原因は「影響の輪」の範囲外
私の不満原因は取り除くことができるでしょうか?答えはNOです。
<ちずる的会社への不満ポイント整理>
・ちずるは会社方針が馴染まない ⇒ 個人が文句を言っても会社方針は変わらない
・ちずるはやりたくないし、今はやれない ⇒ 会社はやってほしいしやれるようになってほしい
・ちずるはやりたいことができない ⇒ 会社は別のことをやってほしい
すべて私が何か動いたところで会社が変わってくれる要素がないのです。強いていえば、社内異動が選択肢としてあり得ます。しかし、仕事を頑張りたいなら必ず同じ問題にぶつかります。根本的な解決につながりません。
会社は変わらない。その事実を時間をかけて受け止めました

そもそも会社は何も変わっていなくて、
私が変わったから合わなくなったことに気づきました
年齢的にも管理職未経験転職はギリギリ
転職には期限はないと信じていますが、プレイヤーとしての市場価値はギリギリだと考えていました。年齢的にもそろそろマネージャーポジションの求人が増えてくると想定し、転職先でのプレイヤー経験を踏まえたマネジャー職務を見据えると、「今しかない」と思いました。
転職した結果
現時点で後悔は全くなく、充実した日々を過ごせるようになりました!

やりたいことで仕事ができるって幸せ
悩みが前向きなことに置き換わった
0からのスタートなので、当然苦労はあります。ただ、悩んでいた「会社方針に納得できない」「やりたくないこと・やれないことをやらされる」「やりたいことができない」はすべて解消し、「今の会社を通じてどう関係各位に貢献しよう?」という前向きな悩みに置き換わりました。
納得できる環境でやりたい仕事ができる。私にとってこれが重要なポイントだったんだと改めて実感しました。
転職活動を通じてキャリアの棚卸ができた
また転職活動では自身のキャリア経験から応募企業に売り込める材料を徹底的に洗い出すことになります。その過程を通じて前職で取り組んだ経験を思い返し、失っていた自身も徐々に取り戻すことができました。

実際に面接を受けなくても、定期的に棚卸すべきだと実感しました
給料も上がった
正直なところ現状維持が精いっぱいだと思ってました。転職活動の中ではずっと現状維持+αで提示していたのですが、最終的には満額で提示いただくことができました。
年収アップは全く期待していなかったので、思わぬ副産物でした。
本ブログで皆さんにお伝えしたいこと
転職って、選択肢に入れづらいですよね。環境を大きく変える選択肢ですから、忌避感があるのは当然です。転職を経験した今でも、気軽に転職しちゃいなよ!とは言えません。
個々人での悩みは千差万別ですから、適した選択肢はいくつもあるはずです。転職が正解だとは限りません。会社の中でスキルアップしつつ異動まで耐えるとか、フリーランスに切り替えてみたりとか、なんなら思い切ってしばらく休職する、なんて選択肢も取っていいと思います。
でも、実際にやってみると転職は稼働対効果ではチート級に環境を変えることができます!これだけは間違いありません。1社にしがみついて思い悩んでいるなら、この選択肢を視野に入れた活動を行わないと絶対損です。いろんな選択肢を検討して最後まで「転職」が残るなら、その時はもう「たかが転職」です。会社変わるくらいで、少なくとも人生は終わりません。
今回、私が経験した一連の体験をブログにまとめました。本ブログをもって、あなたの人生の一押しができれば幸いです。
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