会社からG検定の取得を推奨されているものの、どのように学習を進めていけばいいか迷いますよね。公式テキストを開いても、文系の自分では合格できないのでは……なんて思ってませんか?
本記事では30代文系総合職だった筆者が、G検定を取得した経験談を通じて、G検定の難易度や学習方法を解説します。
文系・総合職の立場から無駄なく効率的に本資格を取得したい方は必見です。
■この記事を書いている人のスペック
・30代男性 / 国立大学文系学部卒
・通信会社に事務系総合職新卒入社 ⇒ 転職活動で大手企業に複数内定
・「企画職」×「データ分析」を中心にアピールし内定GET
・妻子あり3人家族 実家支援なし
・G検定ギリギリ合格
・【取得済み資格】G検定/CBAS PM級/Tableau Desktop Specialist/DS検定 リテラシーレベル/Python認定基礎・データ分析/統計検定2級/ITパスポート
上記の通りド文系からの受験だったので、ギリギリ合格でした。文系・事務系総合職のみなさまの目線で情報を提供できます。

本記事でお答えすることは以下の通りです
■本記事でお伝えしたい内容
・CBAS データ分析実務スキル検定の難易度
・文系事務系総合職の学習方法
G検定とは?
G検定(ジェネラリスト検定)とは、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が実施する、人工知能(AI)やディープラーニングの基礎的な知識と活用についての理解を測る資格試験です。AIを仕事や生活で活かすための基本的な知識を身につけているかを認定します。
120分、小問191問(前回実績)、オンライン実施(自宅受験)と長時間かつ大量問題の一方、自宅で受験できるのが本試験の特徴です。
会社員にとってのG検定
会社員にとって、G検定は会社から取得を推奨される代表的な資格です。
官民連携の会議体であるデジタルリテラシー評議会は、「IT・ソフトウェア領域」「数理・データサイエンス領域」「AI・ディープラーニング領域」の3領域において、全てのビジネスパーソンが持つべきデジタル時代の共通リテラシーを「Di-Lite」として定義しています。この「Di-Lite」を満たしていることを証明するためには、「ITパスポート試験」、「DS検定リテラシーレベル」、「G検定」の3試験全てに合格することが求められます。※なお、3試験に全て合格するとDX推進パスポートが付与されます
この取り組みの有用性は個々人で判断がわかれるかと思いますが、ポイントは国も獲得を推奨している点にあります。このような環境下ですから、世の大企業はわかりやすい人材指標としてDX推進パスポートの獲得をKPIにする傾向にあります。
そのため、本資格の実務活用性に関わらず、本資格は会社へのアピールとして有用な資格と言えるでしょう。
業務レベルでのG検定
事務系総合職の業務レベルでは、G検定で学習する内容の80%は関わることがありません。DX推進パスポートで獲得する資格のうち、最も実業務に関連の薄い資格と言えます。
しかし、日常業務に使用されている各種ツールの技術的な背景について知ることができます。例えば、ChatGPTにおける生成AIの構造やzoomでの背景処理などが代表的です。短期的な業務改善に繋がることはありませんが、日々の業務の解像度が一段階挙がることは間違いありません。
G検定は難しい?文系でも合格できる?
文系かつ事務系総合職の筆者にとって、G検定は非常に難しく感じられた資格でした。その内容を解説します。

カンペでは本試験に対応できない
まずG検定は自宅受験であることから、カンニングペーパーを用意することができ、WEB上でも先駆者たちのカンニングペーパーが配布されていたりします。公式も禁止を明記しておらず、黙認状態となっています。カンニングペーパーがあれば合格余裕じゃん!と思う方もいるかもしれません。
ですが、少なくとも文系受験者はカンペだけでは合格できません。
120分で191問です。1問あたり1分も時間をかけることができません。設問ごとにカンニングペーパーを確認していたら時間が足りなくなります。カンペ頼りで合格できるとは考えないほうがいいでしょう。
概要だけでもディープラーニングまわりの知識は難しい
ディープラーニングは用途別に多種多様な派生を遂げています。関連技術も大量に存在するため、それぞれを整理しながら概要だけ理解するのは中々骨が折れました。
G検定合格に向けた対策
G検定はDX推進パスポートに構成されているだけあって、教材が豊富です。多くの人がどれを選べばいいか不安になると思うので、私の事例を紹介します。
対策期間
私は2か月前から始めました。ディープラーニングに関する知識は皆無に等しかったため、苦戦が想定されたためです。想定通り苦戦したこともあり、2か月はちょうどよい期間でした。
公式テキストを読む
ほぼ初心者でしたので、網羅的に把握することを目的に公式テキストを通読しました。2回程度通読し、大まかな概要を頭に叩き込みました。
なお、G検定のテキストは2025年9月30日現在で「第3版」が最新です。第2版がメルカリ等に出回ってますが、AI関連は目まぐるしく変遷しており内容が最新化されているため、第3版での学習をおすすめします。
問題集とアプリでアウトプットを増やす
私は「徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集 第2版 (徹底攻略シリーズ) 明松 真司/田原 眞一/杉山 将」と、ディープロを使用しました。それぞれ解説します。
問題集
私がリサーチした限り、問題集は正直どれでもいいです。なぜなら試験では最新トレンドを踏まえた問題が出題されるため、紙の問題集ではキャッチアップされず全範囲を網羅できないからです。重要なのはより多くの問題を解き、頻出問題を体に馴染ませることです。
前述の通り、私は徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集第2版を使用しましたが、比較的出版・改版日が新しい以下の問題集をおすすめします。
ディープラーニングG検定(ジェネラリスト)最強の合格問題集[第2版]:改版日2024/1/28
徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集 第3版:改版日2024/9/25
アプリ
問題数をとにかくこなすことが重要なG検定において、アプリは非常に助けになりました。
様々なアプリがありますが、私はディープロを活用しました。7日間の無料期間がある上に、費用も980円/月と書籍よりも割安です。使用感・問題の質もいずれも特に違和感なく、試験本番まで使用することができました。
チートシート(カンニングペーパー)を作成する
G検定は自宅で受験するため、チートシートを閲覧しながら受験することが禁じられていません。学習内容の整理にも繋がりますし、抜け漏れを排除できるので作成をおすすめします。
他人が作成したチートシートはおすすめしない
WEB上には有志のチートシートがたくさんありますが、基本的にはご自身での作成をおすすめします。
試験本番は、チートシートをゆっくり閲覧する暇はほぼありません。自分で作成し、ある程度学習内容が頭に入っていない試験スピードに耐えられません。
ChatGPTに課金する
ChatGPTと一緒に学習を進めることで不明点の解消が可能でした。記述問題はないので、生成AIによる大まかな解説による理解で問題ありません。
現在は学習モードも開発され、より資格試験に適しています。市販の問題集やアプリで物足りなくなったり、解説に納得のいかないときに使用することをおすすめします。
また、ChatGPTは試験本番時に使用することも禁止されていません。対策もされていないので、スクリーンショットして問題画像貼り付けてChatGPTに回答させることができます。
しかしChatGPTに任せてれば合格できるわけではありません。問題数が多いので、ChatGPT頼りで試験を突破することは難しいです。あくまで対策はしっかり終えた上での活用に留めたほうがいいです。
G検定は評価されるか?
G検定は会社および転職市場でも一定の評価を得ることができました。しかし、この資格があるからといって昇進や内定できるわけではありません。あくまで現職の経験に加える加点要素と考えてください。
会社での評価
前述のDX推進パスポートの全国的なトレンドがあり、会社としてもその有資格保有者を持って実績を対外的にアピールしようと試みています。
また実務レベルにおいても自身に直接関わらないとしても、もはやAIが関わらない業務および案件はほぼありません。その概要の理解に大いに助けになるはずです。
転職時の評価
資格の知名度はあるため、学習意欲のある人材であるとアピールすることができます。またアナリストやAI関連の営業など、G検定相当の理解が求められるポジションで加点される可能性も高いです。
まとめ
今回はG検定の難易度や学習方法について解説しました。資格は国家資格でない限り直接的にキャリアを助けてくれる機会はありませんが、少なくとも自身の学習意欲やどのような人材になりたいのか、アピールの実績としては非常に有用です。
意味がない、実務に使用できない、等様々な声があるかと思いますが、会社や転職市場の現実を踏まえた上で、各種資格も有効に活用していきましょう。
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